2022-01-01から1年間の記事一覧

大切にする②

その器を眺めるたびに アンティークショップに 連れて行ってもらうのが 楽しみだった 幼い頃を思い出してしまう 磁器の 寒色を帯びる白より ボーンチャイナの 乳白色が好き 透明感と艶感が 一層感じられるし 硬質なのに 柔らかさを感じる 北の街に住んでから…

大切にする①

1915年 高祖母が生まれた時の 記念に購入された トリオのティーカップを 2015年 祖母はわたしの誕生日に プレゼントしてくれた コレクションボードに飾られていた WEDGWOOD オールド・ノリタケ Royal Copenhagen 美しい器たちに 憧れていたわたしは その中の…

ミルク味の雪②

頑張っても 褒めてもらえないのは わたしが悪い子だから 期待に応えられず 怒らせるのは わたしが悪い子だから イライラさせて 手をあげさせるのは わたしが悪い子だから ずっと そう思っていた だから あの子の身の上を聞いたとき わたしと同じような気がし…

ミルク味の雪①

雪花氷(シェホワビン)は 台湾のかき氷 純氷を使う かき氷とは違い 甘いミルク味の 氷を使うのが一般的 イチゴとかマンゴーとか フルーツを ふんだんに盛り合わせ 時には チョコなどの ソースをアクセントにかける 氷片がフレークというより もっと繊細で ま…

弾き語りのあなた

夜の暗がりを "とばり" 夜の静けさを "しじま" 先人は 夜を言葉で 素敵に表したのに その美しさを 感じる余裕もなく 夜中に目が覚めたとき 不安に支配されそうになる 見えないのが "とばり"のせいか ホントに見えてないからなのか? 聴こえないのが "しじま"…

ヴァイオリニスト③

渋味やえぐ味さえ 味わいに変わる 甘味を引き立て 深みを与える 栗の渋皮煮を食べるたび きっと彼女のコトを 思い出すとおもう 考えてみると わたしは 母から料理を 教えてもらった覚えがない 母が作った お弁当を食べた記憶がない だから 何かを食べて 母を…

ヴァイオリニスト②

人類は 共感する術を求めてきた なぜなら キモチを伝えるコトが 上手くいかなくて たくさん 悲しいコトを経験してきたから でも 長い時間を経ても ちっとも上手くならないのは 理解されない 孤独に対する 不安と 恐れがあるからだと そう思っている ようは …

ヴァイオリニスト①

ネコの25歳は ヒトの116歳相当だとすれば ご長寿の仲間入りであり 時の短さに 嘆く必要はないわけで 神様のイジワルも 気にならなくなる プロフィールと ハンドルネーム"のらねこ"を 登録フォームに打ち込み ふわっちに"潜入"する いろんな配信者さんがいる …

のらねこ④

卒業まではあっという間だった 何の興味もないテーマの卒論を 然も真剣に取り組んだように 作り上げる そして ただ実家から離れたくて 居場所を 遠いところに探した 北海道に決まって いよいよ するコトが無くなった頃 同じゼミの子から 飲み会に誘われる "…

のらねこ③

楽しくて ほぼ毎日弾いていたピアノだけが からっぽの底から 顔を覗かせる 呑気なわたしは 見に行くことにした 随分長く来てない気がする 音が聞こえる 微かな音は 一歩一歩近づくたびに はっきりした輪郭を 帯びてきて それは わたしの不安のようだ あのピ…

のらねこ②

子どもの時読んだ 「ルドルフとイッパイアッテナ」みたいに "お月さん"もいたるところで名前があった "ぶち"だの"チロ"だの"マル"だの でも どこにいても変わらないのは 気高さだ 正直に"自分"を生きているようで 羨ましかった それから 2ヶ月程が過ぎたころ…

のらねこ①

大学2年生の冬 ピアノのミスタッチがひどくて少しイライラしていた その頃のわたしは 只々早く単位を取りたくてコンパやいわゆる『同好会』活動とはほぼ無縁の生活を送っていた 同じゼミの子たちからは『付き合いの悪い変わった子』というイメージだったと思…

ある配信サイトで④

LINEもTwitterもInstagramも ずっと必要としなかった ヒトと深く関わらずにいるには 好都合だから なのに ヒトの勧めで 始めようとしている 匿名性とサイト内の世界という 現実から距離が保たれるコトに 安心感があったから それと 少し寂しかった わたしは …

ある配信サイトで③

同僚のカヨさんは わたしより10歳上で 就職した当時から かわいがってくれる 面倒な飲み会の後や ナンパの類から 救いの手を出してくれる ありがたい存在 だけど 困るコトもある いわゆる仲人気質 何度断ってきたことか… あの先生はいいヒトだとか… あの方の…

ある配信サイトで②

昨年の春だった 職場で意識を失って 病院に運ばれた とは言っても 自分が勤めてる病院 処置が早かったけど みんなにバレてしまった ずっと隠していた 子供の頃からの方は さすがに隠せない 大人になってからの方は 家族にも隠してた 今 住んでいるココは 生…

ある配信サイトで①

このアプリを教えてくれたのは あるシングルマザー 配信サイトで なかよくしてくれた 彼女が 自分の生い立ちや ココロの病気について 大切な夢について このアプリで記していたから その事を思い出して わたしも記してみようと いや 遺してみようと思った わ…

記すコト 遺すコト

こんな風に キモチを遺せる手段を わたしが選ぶなんて 思いもしなかった 日記のように まめまめしくは 記せないかもしれないけど 頑張りたいと思う わたしと仲良くしてくれた 優しいヒト達のコト わたしの中に残る キヲク達を