ある配信サイトで③

同僚のカヨさんは

わたしより10歳上で

就職した当時から

かわいがってくれる

 

面倒な飲み会の後や

ナンパの類から

救いの手を出してくれる

ありがたい存在

 

だけど

困るコトもある

 

いわゆる仲人気質

何度断ってきたことか…

あの先生はいいヒトだとか…

あの方の息子さんはピッタリじゃないとか…

 

"それも

病気のことが分かれば

無くなるだろうな"

 

そう思っていた

 

気が楽になるけど

少し寂しい気がした

 

退院の日

 

カヨさんは父の車まで

追いかけてきて

お菓子と手紙を手渡してくれた

 

何にも言わず

手渡してくれた

 

家までの車の中で

わたしは泣いた

 

"あなたは

失なう辛さを

他のヒトにさせたくないのね"

 

カヨさんの優しい文字が

痛かった

 

失うことが怖くて

自分と向き合えなかったコトを

見透かされたキモチだった

 

数日後

復職したわたしに

いつも通り

周りは接してくれた

 

でも

少しだけ違ったのは

カヨさんだ

 

"いろんなヒトと関わることを

恐れないでほしい

おかしなコト勧めるけど

のぞいてみたら?"

 

それが

ふわっちだった