ヴァイオリニスト③

渋味やえぐ味さえ

味わいに変わる

甘味を引き立て

深みを与える

 

栗の渋皮煮を食べるたび

きっと彼女のコトを

思い出すとおもう

 

考えてみると

わたしは

母から料理を

教えてもらった覚えがない

 

母が作った

お弁当を食べた記憶がない

 

だから

何かを食べて

母を思い出すコトがない

 

でも

何かを食べて

誰かを思い出すコトは

しあわせなコトではないだろうか

 

今年も

栗の渋皮煮を

作ってみる

 

秋を過ごす

決まり事にしようと思う

 

このサイトで

"はじまり"のヒトは

かけがえのないギフトをくれた

 

甘く香ばしいレシピと

バースデーのヴァイオリン

 

カタチはなくても

確かに

わたしの"ココ"にある