12月16日

最近

幼い頃の夢をよく見る

 

どこかはわからないのに

何となく

懐かしい場所で

 

かなでとふたりで

かわいいシールと

キャンディーの包紙を

交換したり

 

きれいな

おはじきやビー玉を

分け合い

遊んでいる

 

目が覚めると

いつもの

無機質な天井が見えて

なんだか

がっかりする

 

かなでは

また

お腹が大きくなった

 

女の子だと聴いて

うれしくなる

 

男の子が

嫌なわけじゃなくて

 

わたしのものを

あげるコトができるのが

うれしい

 

小物やアクセサリーは

使ってくれるはず

 

ただ

ホントは

わたしの手から譲りたい

 

"気持ちは大事だ"と

かわいいギフトをくれた

配信者さんは言う

 

でも

やっぱり"気持ち"だけじゃ

ダメみたいだ

 

ペースメーカーのおかげで

急に苦しくなったり

気を失うことは

なくなったけど

 

ペースメーカーを使って

やっと歩けるくらい

限界にきてるらしい

 

今の状態を示す数値は

ウソはつかない

 

かなでが

相変わらず来てくれて

わたしのお世話をしてくれる

 

お部屋のシャワーを使って

わたしの身体を

洗ってくれる

 

DIORの甘い香りが

うれしい

 

姪っ子の名前は

相変わらず

教えてくれないけど

 

かなでから

偽りない

愛を感じる

 

"わたしは

もらってばかりだね"

 

そう言うと

 

「みおちゃんは

むしろ、あげてばかりだ」と

 

呆れられる

 

ふたりで

頂いたこんぺいとうを

分ける

 

口の中で

甘く溶ける"星のかけら"を

楽しみながら

 

やはり

わたしは

もらってばかりだなって

思う

 

ひとは

終わりが近くなると

 

それまで

何の未練もないと

思っていたのに

 

もう少し

 

もう少しって

思う生き物らしい

 

お薬のせいもあり

眠る時間が長くなった

 

その

眠りに落ちるときが

怖いと感じるのも

 

わたしに

たくさんの

手放したくないものがある

証拠のような気がして

うれしい

 

また

夜が来る