最近
幼い頃の夢をよく見る
どこかはわからないのに
何となく
懐かしい場所で
かなでとふたりで
かわいいシールと
キャンディーの包紙を
交換したり
きれいな
おはじきやビー玉を
分け合い
遊んでいる
目が覚めると
いつもの
無機質な天井が見えて
なんだか
がっかりする
かなでは
また
お腹が大きくなった
女の子だと聴いて
うれしくなる
男の子が
嫌なわけじゃなくて
わたしのものを
あげるコトができるのが
うれしい
小物やアクセサリーは
使ってくれるはず
ただ
ホントは
わたしの手から譲りたい
"気持ちは大事だ"と
かわいいギフトをくれた
配信者さんは言う
でも
やっぱり"気持ち"だけじゃ
ダメみたいだ
ペースメーカーのおかげで
急に苦しくなったり
気を失うことは
なくなったけど
ペースメーカーを使って
やっと歩けるくらい
限界にきてるらしい
今の状態を示す数値は
ウソはつかない
かなでが
相変わらず来てくれて
わたしのお世話をしてくれる
お部屋のシャワーを使って
わたしの身体を
洗ってくれる
DIORの甘い香りが
うれしい
姪っ子の名前は
相変わらず
教えてくれないけど
かなでから
偽りない
愛を感じる
"わたしは
もらってばかりだね"
そう言うと
「みおちゃんは
むしろ、あげてばかりだ」と
呆れられる
ふたりで
頂いたこんぺいとうを
分ける
口の中で
甘く溶ける"星のかけら"を
楽しみながら
やはり
わたしは
もらってばかりだなって
思う
ひとは
終わりが近くなると
それまで
何の未練もないと
思っていたのに
もう少し
もう少しって
思う生き物らしい
お薬のせいもあり
眠る時間が長くなった
その
眠りに落ちるときが
怖いと感じるのも
わたしに
たくさんの
手放したくないものがある
証拠のような気がして
うれしい
また
夜が来る