昨日の夕方
わたしは
病室に戻った
ベリーが
玄関に座り
こちらを見ている姿が
哀しかった
また
帰れるのかな
帰りたいな
夜
泣いても
気づかれないから
安心する
今日は
午前中に
診察を受ける
もう4割くらいしか
動いていない
胸の時計は
予定通りであることを
知らせる
あと何回
このアナウンスを
聴かなくちゃいけないんだろう
こうなることを
わかっていたはずなのに
少しこわい
夕方
おとうさんが
面会に来た
また
いちごを買ってきた
かなでに
好物でもこんなに毎回じゃ
イヤになっちゃうよって
言われて
ショボンとしてる
わたしは
おとうさんの
買ってきたいちごを
必ず
3つぶ食べて
美味しかったって
直接言う事にしてる
おとうさんが
すごくうれしそうにする
その顔が
わたしは大好きだ
残りは
かなでと
お腹の中の子が
食べてくれた
そして
そのたびに
幼い頃
かなでとふたりで食べた
いちごの事を
思い出して
笑ってしまう
おばあちゃまが
いちごが無くなったら
買ってきてあげるって
言うのを
こどもながら解釈して
ふたりで
パック2つを
いっぺんに食べた
無理矢理食べて
お腹が痛くなったけど
そんな事を言ったら
絶対怒られるから
我慢していた
けれど
辛抱できなくて
ふたりして
わんわん泣いて
おばあちゃまを困らせた
クスクス笑うわたしをみて
また思い出して笑ったでしょ?と
少し
ふてくされて見せるかなでは
本当にキレイで
わたしの分まで
ずっと
幸せでいて欲しいと思う