10月10日

昨日の夕方

わたしは

病室に戻った

 

ベリーが

玄関に座り

こちらを見ている姿が

 

哀しかった

 

また

帰れるのかな

帰りたいな

 

泣いても

気づかれないから

安心する

 

今日は

午前中に

診察を受ける

 

もう4割くらいしか

動いていない

胸の時計は

予定通りであることを

知らせる

 

あと何回

このアナウンスを

聴かなくちゃいけないんだろう

 

こうなることを

わかっていたはずなのに

 

少しこわい

 

夕方

おとうさんが

面会に来た

 

また

いちごを買ってきた

 

かなでに

好物でもこんなに毎回じゃ

イヤになっちゃうよって

言われて

ショボンとしてる

 

わたしは

おとうさんの

買ってきたいちごを

必ず

3つぶ食べて

 

美味しかったって

直接言う事にしてる

 

おとうさんが

すごくうれしそうにする

 

その顔が

わたしは大好きだ

 

残りは

かなでと

お腹の中の子が

食べてくれた

 

そして

そのたびに

幼い頃

かなでとふたりで食べた

いちごの事を

思い出して

笑ってしまう

 

おばあちゃまが

いちごが無くなったら

買ってきてあげるって

言うのを

 

こどもながら解釈して

ふたりで

パック2つを

いっぺんに食べた

 

無理矢理食べて

お腹が痛くなったけど

そんな事を言ったら

絶対怒られるから

我慢していた

 

けれど

辛抱できなくて

ふたりして

わんわん泣いて

おばあちゃまを困らせた

 

クスクス笑うわたしをみて

また思い出して笑ったでしょ?と

少し

ふてくされて見せるかなでは

本当にキレイで

 

わたしの分まで

ずっと

幸せでいて欲しいと思う