窓から見える山には
白いものが見える
歩く人波の装いでも
季節の変わり目が
早まっているのがわかる
秋から冬へ
時間はとうとうと流れる
あんまり
何度も聞くから
ドクターも
再来週
一時帰宅を許してくれた
あんなコトに
なったばかりなのにと
少し呆れたのかもしれない
処方してくれたお薬のおかげで
浮腫まなくなった
ちょっとうれしい
かなでが
柿を買ってきて
食べやすく切ってくれる
柿の実なのに"オレンジ色"
でも
この色は"本家"の"それ"より
わたしは好きだ
ちょっとうれしい
そっか
わたしが
少しだけ見る角度を
変えさえすれば
こんなに周りにある
"うれしい"を
見つけられたんだ
時間がないコトの
落胆より
時間があるうちに
気づけたコトが
うれしかった
窓から見える山には
白いものだけじゃなく
赤も黄も
緑も見える
"おウチはどっち?"と
かなでに尋ねられた
わたしは
高いマンションに指差して
教える
見えないコトを残念がる
彼女を見て
笑ってしまう
ちょっと角度を変えたら
見えるかもよって
ココロの中で
つぶやいた